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JOMON美土偶に逢いにいこう! 井戸尻考古館編

2016年9月22日 書いた人:ヤケマチ
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土偶にとって美とは何か? 

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それともまだお悩みですか?

悩んだら逢いに行こう! 

逢いに行ける美土偶シリーズ。

エントリーNo.17 坂上遺跡出土土偶「始祖女神像」所蔵、井戸尻考古館をご紹介します。

 

ちょっと中央線で信濃境まで

JR中央線信濃境駅。甲斐と信濃、二つの「縄文王国」の国境です。

 

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かつてトヨエツ主演のドラマの舞台ともなった(らしい)風情満点の駅舎。

 

わりとうっかりしてしまうんですが、今のところ信濃境駅ではICカード使えません。

 

正面に甲斐駒ケ岳、背後に八ヶ岳の絶景を楽しみながら、ゆるゆる坂をくだることおよそ15分。井戸尻考古館に到着。

周辺は「井戸尻遺跡」をはじめ縄文中期の著名遺跡大密集地帯です。

 

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地面の下も縄文中期の巨大ムラ。

 

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展示品2500点以上。選りすぐりの逸品ぞろいで息ができない。

 

図像と農耕

展示品を眺めていると、なにやら意味ありげな装飾の縄文土器が目にはいってきます。

 

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ヘビがうねってたり。

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カエルが平泳ぎしていたり。

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ヘビとヒトとカエルが合体して貼り付いてみたり。

 

「井戸尻文化」とも呼ばれる中期縄文時代の特徴のひとつに、こうした具象的な図像がしきりと土器に描かれることがあげられます。縄文人たちはそこに何を表現しようとしていたのか? しかしこれを実証的に探るのは難しく、学問の世界ではいわばタブーともされてきました。

 

縄文図像の解読。井戸尻考古館はこの不可能とも思えるテーマに長く取り組んできた、全国でも異色の資料館です。東西の神話を比較援用しながら、井戸尻縄文人たちが思い描いた精神世界の内側に足を踏み入れています。

 

というか、そうとう踏み込んでいます。

 

さらにもう一点、井戸尻考古館が果敢にチャレンジし続けてきたのが「縄文農耕」。

 

縄文人は農耕を行っていたのか? 縄文農耕の是非もまた、長く考古学者たちを悩ませてきたテーマのひとつです。土器の土のなかからマメ類などの圧痕が確認されはじめている現在は、縄文人たちもなんらかの栽培/農耕を行っていたのでは、という考え方がしだいに強くなっているそうです。しかしかつては、縄文農耕に否定的な論調が主流でした。

 

井戸尻考古館の歩みは、地元の人々とともにありました。井戸尻周辺の縄文遺跡群の発掘もこの地の農家のかたの発見がきっかけ。畑から掘り出される大量の遺物、とりわけおびただしい数と種類の縄文石器。そこに農耕の可能性を見たのはプロの直感だったのかもしれません。

 

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ピンは甘いがバラエティに富んだ縄文石器の数々。プロの目は知っていた…。

 

「縄文図像の解読」「縄文農耕の追求」。

井戸尻考古館の個性を際立たせる、興味のつきない二大テーマです。

 

坂上の美土偶の孤独

さて美土偶グランプリエントリーNo.17、坂上遺跡出土土偶「始祖女神像」です。

 

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ディープな井戸尻ワールドの、そのまたさらに奥へ。

 

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来てみてよかった360度ビュー。

 

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ファニーフェイスでレッツポシブル!

 

これはほんとうに声を大にして言いたいのですが、皆さん。やっぱり土偶は生がいちばんですよ。

実際にこの目で見る坂上土偶は、全体のバランス、質感、細部のつくりまで、写真で見るよりはるかにやばいです。

 

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首から腰にかけての線刻は写真よりさらに繊細です。ピンが甘いせいだけではない。

 

重要文化財となるほどの美土偶度を誇る坂上土偶ですが、この土偶が出土した坂上遺跡は、当時としてはむしろ小さな縄文ムラで、ほかにとりたてて目立った遺物も、盛大な縄文祭祀が行われた痕跡も発見されていないということです。ただ坂上土偶だけがポツンと、お墓と考えられる小竪穴から見つかりました。これだけの土偶をいったい誰がなんのために、名も無き坂上のムラに埋めたのか。そこにどんなドラマがあったのか。それは悲しいドラマなのか。

 

ぜひ皆さんも坂上土偶を実際に目で見て、妄想の翼をはばたかせてみてはいかがですか。

 

と、ここで衝撃の情報が。

 

坂上土偶はこのあと、レプリカ作成のため、しばらく展示室から姿を消すそうです。

年内の展示は9月30日まで。ふたたび展示室で見ることができるのは、年明け1月からの予定とのこと。

 

……9月……いっぱいだって?

あと1週間しかないじゃないか!

 

坂上土偶、

年内展示は

あと1週間!

急げ!!

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急いで見にきてください。

 




 

お知らせ

井戸尻考古館では来る10月16日(日)、恒例の「高原の縄文王国収穫祭」が開催されます。

縄文土器の文様や土偶のポーズなどを参考にした縄文祭式の再現や、太鼓演奏、ワークショップなど盛りだくさんの縄文イベントです。

さわやかな秋の一日をぜひ高原縄文王国収穫祭で!

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お問い合わせ

開館日時、展示内容、イベント情報等についてのお問い合わせは、井戸尻考古館までお願いいたします。

〒399-0101
長野県諏訪郡富士見町境7053 井戸尻考古館
TEL 0266(64)2044 FAX 0266(64)2787
idojiri@town.fujimi.lg.jp