縄文の美。土偶の美。
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どの美土偶も美土偶なんですけどお。
目移りばかりしてるあなたのための、逢いに行ける美土偶シリーズ。
エントリーNo.1 国宝「中空土偶」擁する函館市縄文文化交流センターをご紹介します。
ちょっと津軽海峡越えて美土偶に逢いに
今年3月の新幹線開通で、津軽海峡越えもずいぶん便利になった気がします。
はるばる来たぜ感、あんまりなくなりました。
ただ函館から函館市縄文文化交流センターまで、本州的な感覚でいうとちょびっとだけ遠いかもしれません。
今回のどぐぽた取材だと函館駅から車でおよそ1時間弱。本数限られていますがバス利用の手段もあります。
つうことで函館市縄文文化交流センターです。
函館市縄文文化交流センター、長いな。
センターです(略してみた)。
国宝土偶のある道の駅
ではさっそく中へ。
なんか、お客さん多いぞ。
縄文系博物館、資料館の多くは行くとわりかし閑散としてます。
ほかのお客さんに出会うことはぶっちゃけ少ないです。
誰もいない展示室で、縄文の至宝を独り占めできる喜びと、分かち合える人のいない悲しさ。
恍惚と不安の二つ我に在り。
センター(函館市縄文文化交流センター。以下、もう本格的に略しちゃう)は道の駅と併設で、道南旅行の道すがらぶらり立ち寄ってみるかたの割合が高いとのこと。
なるほどお客さん多いのはそれでか。
しかも国宝の実物が見られる道の駅って、全国でもここだけだそうです。
センターのどぐう館長(2015年全国どぐキャラ総選挙第7位)も、道の駅の駅長兼任で忙しい。
ストーンアート
センターのでまず目をひいたのは石器の美。石材は黒曜石のほか、地元南茅部地区の頁岩が多用されています。
JOMON矢じりコレクション。
JOMONナイフコレクション。
JOMONアックスコレクション。
矢じり。万能ナイフ。斧。どれもごくあたりまえの日用品のはずなんだけど、なんなんですかね、このアートぽさは。
美の壷
土器も意識高いです。
磨き上げられた器面に赤彩を施した壷です。瘤を突出させるのは中空土偶が作られた時代、この地域の縄文土器に多く見られるトレンド。
センターの人気土器です。住居跡から対になって発見されました。男性と女性を象徴したものと考えられています。
男性か!
…女性か。
9000年前の縄文ウルシMODE
道の駅併設という関係から、縄文文化にふだんそれほど関心のない人たちもたくさん見学に訪れるそうです。
簡単な毛皮を身にまとい、マンモスを追う。
園山先生のギャートルズのような縄文人像を思い描かれていたかたも少なくないとか。
そんなお客さんがいちばん驚かれるのが、縄文漆のコーナーだそうです。
センターに隣接する垣ノ島遺跡から縄文時代早期のものとされる漆糸製品が見つかっています。
放射性炭素による年代測定から導き出された製作年代は、およそ9000年前。
漆製品の出土としてはこれまで最古といわれた中国長江文明の年代を大きくさかのぼります。
出土状況の復元展示です。漆で赤く着色した糸を編みこんだ製品が、墓穴と思われる土壙から発見されました。
遺体は残っていませんでしたが、被葬者が頭や肩、腕と足に身につけていたものと考えられています。
では9000年前の縄文ウルシMODEを復元イラストで。
わりと大きな声で言いたいんですが、ギャートルズとは違うんです。
中空土偶の奥の間へ
日常のくらしの道具から、精神世界をかいまみる謎の遺物たちへ。センターの展示はしだいに縄文人のディープな世界へ誘うように構成されています。
最後が、国宝中空土偶の展示室です。
温度と照明を厳重に管理されたセンターの奥の間に、中空土偶ひとり。
近づいてみました。やっぱりおどろくほどでかい。土偶的に言って。
中空土偶なので中は中空です。
よく見るとすこし体をひねっているようにも見える。右足を踏み出そうとするポーズだという説があるそうです。失われた腕はどんな感じだったのか。妄想はふくらむばかり。
全身が○と△をモチーフの幾何学的な文様で装飾されています。
中空土偶の体に描かれた円と三角形のからみあいについて専門家の方の論文をつまみ読みしてみました。「…非ユークリッド空間における球面幾何や双曲幾何の発想」とありました。なんのことやらさっぱりですが、実際に見てみてみると、なんとなくハートでわかったような気になるからふしぎです。
お問い合わせ
開館日時、展示内容等についてのお問い合わせは、函館市縄文文化交流センターまでお願いいたします。
〒041-1613 函館市臼尻町551-1 函館市縄文文化交流センター
電話番号:0138-25-2030