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JOMON美土偶に逢いにいこう! 是川縄文館編

2016年10月3日 書いた人:ヤケマチ
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美土偶に託した縄文人の祈りとは?

どぐぽたネット企画『JOMON美土偶グランプリ』、投票受付真っ最中です。

逢いに行ける美土偶シリーズ。

エントリーNo.03「合掌土偶」

是川縄文館をご紹介します。

 

八戸と本八戸は違う

まったくよくわかっていませんでした。

新幹線の停車駅は八戸駅。中心街はローカル線の本八戸駅のほうです。

新幹線降りてなんかイメージ違うと思ったんだよな。

 

是川縄文館へは八戸駅、本八戸駅、いずれからでもバスが利用できます。

八戸駅からは今のところ土日祝のみの運行です。

 

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八戸駅(中心街じゃないほう)からバスに乗って、到着しました。

 

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『どぐキャラ総選挙』不敗のV2王者「いのるん」じきじきのお出迎え。

 

まずは合掌土偶から

あなたは好きなものを先に食べる派ですか? それとも後派?

というわけで、風張1遺跡出土、合掌土偶の部屋に直行しました。

 

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温度と照明を厳重に管理された奥の間に、合掌土偶がひとり。

 

なんかこのパターンが続くな。

国宝重文クラスともなると、展示の条件がいろいろと制限されてくるみたいです。

 

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それにしてもこの完璧なポージング。「ポーズ土偶」最強か。

 

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正面はシンメトリー。背中はアンシンメトリーなデザインコンセプト。

 

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デフォルメしてなんぼの土偶界。写実的な身体表現が異彩を放つ。

 

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合掌土偶のポーズについては「座産」のそれだとする説も強いそうです。

でも現代人目線だと、やっぱりこれ、「祈り」だとしか思えないです。

ほんとうのところ風張縄文人は、なにを表現しようとしていたのか。

いつか考古学が進んで、その意味のわかる日がくるのだろうか。

その日を祈るような思いで待ち望むばかりです。

 

国宝にさわろう

厳重に管理され、触れることなどとてもかなわぬ国宝ですが、安心して下さいさわれます。

 

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3Dプリンターによって再現された合掌土偶のレプリカです。トライ、タッチング!

 

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重さ1050gってたいしたことないかも知れないけど、中実土偶なんで、大きさのわりに結構ずんと重いです。存在感、感じます。

 

開館5周年を契機に製作された「さわれる国宝合掌土偶」。視覚障害者のかたにも、合掌土偶の魅力を感じてもらえればとのお話でした。

 

風張の美

国宝合掌土偶が出土した風張1遺跡は是川縄文館から川をはさんだ対岸の台地上に位置します。

時代は縄文後期後半。この地域の拠点的なムラだったと考えられています。

完全な形の遺物が多数出土し、この時期の縄文社会を考えるうえで貴重な考古資料となりました。

666点が国の重要文化財に指定されています。

これ、そうとうすごい数だと思います。

 

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重文。風張1遺跡の縄文土器たち。キレてます。

 

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節の細かい縄文を、方向を変えながら丁寧に転がしていく手法が、合掌土偶の腕や足なんかと通じているように見える。

 

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瘤の突き出たこの感じは、こないだ函館の土器でも見たぞ。

 

どぐぽた的にめっちゃ気になるのが「頬杖をつく土偶」。

 

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合掌土偶と同じムラで出土しました。

 

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膝から下は失われていますが、合掌土偶と同じ体育座りをしていたものと思われる。膝下が見つかっていれば、合掌土偶とダブル国宝指定があったかもです。

 

頬杖というけれど、手の組み方とか顔つきとか、同じ体育座り系、福島のあの人を思い浮かべました。

 

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美土偶グランプリエントリーNo.6「しゃがむ土偶」。福島市上岡遺跡出土。

 

是川の美

時代は流れ、いよいよ1万年におよぶ縄文文化の最終末、縄文晩期へと向かいます。

この地域の拠点集落は風張のムラから川をはさんで対岸の是川ムラへと移行します。

是川遺跡は一王寺、堀田、中居遺跡の総称で、是川縄文館の立地する段丘の一帯にひろがっています。

縄文晩期の是川ムラはこのうち、是川中居遺跡にあたります。

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是川中居遺跡は大量かつ極めて良好な出土品に恵まれ、八戸地域にとどまらず東北地方、ひいては東日本全体の晩期縄文社会を考えるうえで欠かせない史跡として、古くから知られてきました。

国の重要文化財は現在まで963点。風張1遺跡をさらに上回る圧倒的な数です。

では是川の縄文文化とは。

 

まずは遮光器土偶。

 

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初めは合掌土偶のように控えめだった目の表現がしだいに顔全体を覆うまで拡大して、とうとう遮光器土偶になりました。

 

そして土器。

 

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亀ヶ岡式土器とも称されます。器形はバリエーションに富んでいます。文様は縄文史上もっとも複雑、精巧かつ規則性が高い。かもしれない。

 

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香炉形土器と呼ばれる一群。「香炉」と名付けられていますが、火を使った形跡はなく、実際の用途はわかりません。遮光器土偶の頭部にある王冠の形に似ています。

 

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ふつうに使用すれば人が目にすることのない皿の底にも文様が。雲形定規を使ったような幾何学模様。

 

というかこのデザイン、どこかで見たことないですか?

 

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美土偶グランプリのロゴに、どぐぽたデザイン部がちゃっかり借用してました!

(学芸員のかたに教えていただくまで気づきませんでした)

 

 

漆の美

是川中居遺跡は、すさまじい量の漆器が出土したことでも知られます。

縄文館では特に一室を設け、是川の漆の美に迫っています。

 

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部屋が赤い…。

 

漆塗り技術は現在まで確認されたところ、およそ9000年ほど前、縄文時代早期にさかのぼります。

それから数千年の時を経て縄文時代の最終末。

是川中居遺跡で見つかった大量の漆塗り製品は鮮やかな赤色や漆黒の光沢がよく残り、高度な技術に裏付けされた縄文ウルシ文化の到達点を、これでもかとばかり私達に見せてつけてくれます。

 

 

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Lusterー艶ー。

 

 

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Coloringー彩りー。

 

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Recoatingー重ね塗りー。

 

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Red and Black―赤と黒ー。

 

縄文館のシンプルなキャッチコピーがあまりにかっこいいので、ちょっとお借りしました。

 

最後に是川縄文館の基本的なコンセプトをお伺いしました。答えは明快でした。

 

●常設展示は風張1遺跡と是川遺跡に特化。

●解説を最小限にとどめ、縄文の「美」を最大限に感じてもらう展示。

 

お問い合わせ

開館日時、展示内容等についてのお問い合わせは、是川縄文館までお願いいたします。

〒031-0023 青森県八戸市大字是川字横山1 八戸市埋蔵文化財センター 是川縄文館

電話:0178-38-9511

FAX:0178-96-5392