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インスタで縄文ステマ! 縄文女子のSNS活用法

2018年4月27日 書いた人:ホリユキハ

 

かわいいも楽しいも縄文も

 

縄文趣味も長くなってくると、街を歩いているだけで縄文文化にぶつかるし、

スマホのアルバムは土器や土偶など遺物の写真で溢れてくる。

それでも素敵な遺物に出会ったら、写真を撮ってSNSに投稿したくなるのが

現代縄文女子の性。

 

しかし私のSNSのフォロワーは縄文に興味のない縄文弱者(以下縄弱)の友達も多いので、

投稿をためらってしまうことがある。

それに遺物の写真ばかりでトップ画面が全体的に茶色っぽくなるのも何だか気になるし、

調子に乗って土器の写真を連投なんてしてしまったら、最近どうしちゃったの?と

心配されかねない。先日、本当に縄弱の友だちに心配されてしまった。

もしかしたらこんな私と同じ悩みを抱えた人がいるかもしれない。

 

かわいいも楽しいも縄文も、そしていいねも諦めたくない───

 

今回はそんな欲張り縄文女子のためのステルス縄文として、

街中に隠れた縄文探しとインスタの活用法を探ってみた。

 

 

森と迷子と街歩き

 

街歩きは縄文的である。

 

縄文時代は狩猟採集生活をしていたと言うと肉食のイメージを持つ人もが多いが、

本州に暮らす縄文人の主食はどんぐりなどの堅果類であり、

彼らが草食だったことがわかっている。

また食料自給の男女の分担について、男性が力を擁する狩猟などをしていたのに対し、

女性は植物採集や調理などを行っていた。

このことから本州縄文人の主な栄養源は、女性の働きによって賄われていたといえる。

ムラからムラ、母から娘へ、美味しい山菜や果実の生る場所や時節、調理方法が

受け継がれていたのだろうか。

 

例えば縄文時代のいつ頃か、

どこかのムラの若い娘が山菜採りに夢中になってしまい、

いつもは入らない森の奥まで入り込んでしまった。

見慣れない景色の中で歩き疲れた体を抱え、じわじわと不安を感じ始めた矢先、

ムラで貴重とされている果実がたくさん自生する場所を発見した、

ということがあったかもしれない。

 

これに似た状況は現代でも起こりうる。

 

例えばあなたがどこかの街へ引っ越しをしたとする。

新しい街を見てみようと散歩をしていて、調子に乗って遠出をしてしまった。

認めたくはないが”迷子”という不穏な言葉がじわじわと脳裏に浮かび始める。

足も疲れてきたしどこかで休みたいなと思った矢先、

隠れ家的な素敵なパン屋(カフェでもラーメン屋でも)を発見した。

この時の私たちは先の縄文時代の娘と似たような気持ちかもしれない。

 

自分の街を知ること。

それは飲食店だけでなく他の店や、地理や地形や歴史を知ることも含めて

縄文的であると言える(かもしれない)。

 

 

渋谷の縄文遺跡

 

縄文土器には様々な型式があるが、

似た内容のいくつかの土器型式が特定の地域にまとまっている場合、

その地域では文化に共通性があると考えられていて、それを土器文化圏と言う。

その中でも円筒土器文化圏の中心地であった青森県の三内丸山遺跡は、

およそ1500年にわたって集落が維持された当時の繁華街であると言える。

 

現代の繁華街の代表的な場所としては東京の渋谷が挙げられるが、

実はこの辺りにも縄文時代には人が住んでいた。

当時は海面が今より高く、代々木公園や原宿駅前辺りまで海岸線が広がっていて、

キャットストリートは海の中だった。

現在特に看板などは立っていないが、

キャットストリートから外れて少し青山方面へ上った場所では住居跡も見つかっている。

 

また遺跡以外にも國學院大學博物館や白根記念渋谷区郷土博物館や

岡本太郎記念館など、ダイレクトに縄文文化に触れられる施設も多数あり、

まさに渋谷は縄文の街である。

と言いたいがために、先月渋谷で隠れた縄文を探すという街歩きを行ったのだが、

知識の乏しい私だけではほとんど見つけられなかっただろう。

今回の街歩きに同行してくれたどぐぽた編集部のメンバーである師匠とヤスさんのおかげで

何とか隠れ縄文や遺跡を見つけることができた。

師匠とヤスさん!本当にありがとうございました!

 

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渋谷の縄文探しの打ち上げは串焼屋、ジョウモンで。

 

 

SNSと土器文化圏

 

渋谷で見つけた隠れ縄文の写真を、なるべく多くの人に見てもらいたい。

なのでSNSで勝手に縄文の情報をアピールしようと思う。

名付けて”縄文ステマ”だ。

​ちなみにステマと言ってもどこからも金銭は発生していない。

私の中にある縄文愛だけが縄文ステマのエネルギーである。

 

先にも書いたが縄文土器には文化圏があり、

同じ型式の土器が出土する地域は同じ文化圏であるとされている。

現在、facebook・ツイッター・インスタグラム・LINEなど他にも様々なSNSがある。

それらは主に投稿するメディア(文章、画像、動画、音楽など)の違いや仕様の差や

利用者層の違いなどにより、それぞれ独自の文化や雰囲気が形成されているため、

独立した文化圏と言うこともできる(かもしれない)。

 

またSNSは誰でも気軽に始められるものが多く、

チュートリアルはあっても分厚い取扱説明書といったものはあまり存在しない。

利用者は他人の投稿を見ながら、

各SNSに漂う暗黙に近いルールを手探りで憶えて(時には疑問をネットで検索して)、

自分で投稿を行ったり他のアカウントとコミュニケーションを取っていき、

その様子は人間の社会性獲得の軌跡とも言える。

 

そして1つのSNSを長く使用していると、

表現方法などがそのSNSの雰囲気に染まっていく場合がある。

これは価値観の形成とも捉えることができ、

どこかの土器文化圏のムラに生まれた子供が成長していくことに似ている(かもしれない)。

 

 

指先のノスタルジー

 

現在のSNSでよく使われているコミュニケーション方法の一つに”いいね”が挙げられる。

 

”いいね”に使われるマークは各SNSにつき1個から数個程度と種類が少なく、

またそのマークがSNSを象徴する役割を果たしている場合もある。

文字の無かった縄文時代を経て、漢字の輸入から千年以上に及ぶ日本列島の

文字表現の歴史の上に立つ現代で多用されているのが、

ミニマルでシンボリックな”いいね”であることは興味深い。

 

また自分の投稿に対して”いいね”を貰った人は、貰った”いいね”の意味をあまり深く考えることをしない。

しかし”いいね”の送り手は、共感・確認・承諾・応援・信愛など、

他にも様々な意味を込めたり、反対に意味を込めず義理として送る場合もある。

 

例えばソファに寝転んだまま軽い気持ちで送る”いいね”から、

じっと画面を見つめて片思いの相手に思いを込めながら送る”いいね”まで、

縄文人が指先にどのような概念を持っていたかはわからないが、

指先にこれだけ多くの思いを込めるのはもしかしたら現代人だけかもしれない。

 

そしてAIやIoTが今後ますます普及していくことで、

文字表現にかかる私たちの動作はもっと減っていくだろう。

ほんの少し指先を使って行うこの慣習が、

いつか私たちのノスタルジーを誘うものになるのかもしれない。

このように現代を象徴するとも言える”いいね”を、縄文の情報に沢山押してもらいたい。

 

 

いい感じのフィルター

 

ということで私の独断と偏見から、SNSの中でも一番弱縄女子の利用率が高そうで、

一番縄文情報が載せづらそうなインスタグラム文化圏(以下インスタ)で縄文ステマを行いたい。

 

具体的な狙いは2つ。

1. 一人でも多くの人に遺物の画像を見てもらい、”いいね”を押してもらうこと

 (縄文サブリミナル効果)

2. 日常使いのSNSでも浮かない縄文女子の投稿方法を探ること(ステルス縄文)

 

この狙いに際して、新しく縄文女子のアカウントを作ることにした。

元々使っているアカウントはあったが、私が気が小さく自意識過剰なため、

旧来のフォロワーの方を気にしてしまい、自由にできそうになかったのだ。

 

あと断っておくが新しく作った縄文女子アカウントは、私に内在する縄文愛と女子性を

頑張って抽出したものであり、決して成りすましではない。

 

1つ目の狙いには、不特定多数の人に広く見てもらえるよう、大量にタグをつけることにした。

2つ目の”日常使いのSNS”とは、縄弱の友人が多い私の個人的な悩みでもあるのだが、

2~30代の縄弱女子たちのタイムラインで浮かないことを想定していて、

そのために文章にフィルターをかけることにした。

インスタに投稿する際、写真にいい感じのフィルターをかけて加工するように、

文章にもインスタっぽいいい感じのフィルターをかけるのだ。

 

これから実際の投稿を幾つか載せるが、文章にいい感じのフィルターをかけて

コントラストを少し上げただけで、内容の核となる部分に偽りはない。

くどいようだが成りすましではない。

 

指先で1秒。いいねを押すたった1秒。

絶えず流れていく情報の中から1秒でも気に留めて貰えてたら、

縄文ステマは成功と言える。

 

 

#縄文好キナ人ト繋ガリタイ

 

初めての投稿は渋谷の街歩きで立ち寄った、住居跡についてのものにした。

 

1

 

この投稿に押されたいいね数:31個 付けたタグ:15個

 

書いた文章

『 春の陽気に誘われて
  キャットストリートをうろうろ

 
  通りから外れて
  坂道を少し上ると

 
  縄文時代には
  遺跡があった場所がある

 

  今はラフシモンズになってて
  遺跡の跡形もないけど(๑•́‧̫•̀๑)
 

  どっちも格好いい♡
  また散歩に来よっと꒰⑅•ᴗ•⑅꒱ 

 

  #jomon  #tokyo  #catstreet

  #Japan  #love  #rafsimons

  #縄文  #隠れ縄文  #遺跡  #縄文女子 

  #写真好キナ人ト繋ガリタイ

  #おしゃれさんと繋がりたい

  #縄文好きな人と繋がりたい

  #ナンチャンを探せ  #縄文を探せ 』

 

今振り返ってみて、なかなか上手に書けているのではないかと思う。

文末に付けたタグはインフルエンサーの方の投稿を参考にした。

タグには様々な種類があり、中でも”繋がりたい系タグ”の汎用性が非常に高い。

この”繋がりたい系タグ”はとにかく末尾に『好きな人と繋がりたい』

を付ければどんな言葉でも成立するようだ。

なのでこのタグを使ってステマだけでなく、縄文が好きな人とも繋がっていきたいと思う。

 

 

別の日の投稿

 

5

いいね数:27個 付けたタグ:20個

書いた文章

『 表参道歩いてて気がついた
  ラルフの植木鉢が埴輪っぽい🌳👀 


  通りを挟んだ向かいのGYREは
  黒曜石でできてる縄文派だから
  間の歩道橋が弥生時代かな🌾 ⸝⸝⸝ .


  最近この辺りが
  古代の街にしか
  見えなさすぎてやばい(*´`)❤︎❤︎❤︎
 

  #jomon #japan #ff #love

  #raiphlauren #omotesando

  #instagood #fasion

  #縄文 #弥生 #古墳 #埴輪

  #縄文女子 #はにわ #表参道

  #ラルフローレン #縄文を探せ

  #写真好キナ人ト繋ガリタイ

  #縄文好きな人と繋がりたい

  #おしゃれさんと繋がりたい 』

 

画像の加工もままならないし、フォロー・フォロワー全てゼロから始めた

どこの馬の骨かもわからない私の投稿にいいねが押されていく。

 

 

承認欲求の魔物

 

写真の加工から文章作成に可愛い顔文字探しまで、

初めて間もない頃は一つの投稿を仕上げるのに数十分とかかっていたが、

慣れてくると数分程度で行えるようになった。

 

私の中に眠っていたインスタ女子性が開花したのだ。

 

しかし呼吸をするようにインスタっぽい投稿が作れるようになった頃、

少し調子に乗ってしまった。

 

ネットでかわいい店を見つけたら、(インスタ上のいけてる縄文女子である)私なら

ここに行くんじゃないかと、行った”てい”の文章が浮かんでくる。

浮かんだ文章を書きだして悦に浸ると、今度は実際に店へ行った写真を撮って投稿したくなった。

 

これでは成りすましである。

それに何よりSNSに現実が振り回されているスタンスが全くいけてない。

 

すぐ正気に戻ったので実際に行うことはなかったが、自分の心の弱さのせいとはいえ、

承認欲求というか何かに成りきることがこんなに魅力的なものだとは思わなかった。

承認してほしいのは私ではなく縄文なのに。

 

また文章が上達すればするほど、画像とのバランスが取りづらくなることもわかった。

縄文遺物の見た目は一般に使われる”かわいい”とはほんの少しだけ違っている。

そのためどんなにかわいい表現ができたとしても、

遺物の写真と合わせると”とってつけた感”が滲み出てしまうのだ。

 

SNSの投稿は、人に見てもらう前提のものである。

日常的にSNSを使い続けていく上で、

縄文遺物をいかにかわいく(というよりも飽きずに興味を持って)見てもらうかは、

これからの課題である。

 

 

縄文女子の印象操作

 

渋谷の隠れ縄文の写真は、私の技術が下手なこともあって使えるものが少なく、

すぐにネタが尽きてしまった。

そのためその頃ちょうど縄文を観光のメインに据えた旅行をしたので、

その写真を載せようと考えた。

 

しかし旅行から帰ってきてスマホのアルバムを見返してみると、

縄文遺物と景色の写真ばかりで、美味しいご飯や楽しいパーティーやかわいい飲み物の写真がない。

元々女子っぽい要素などほとんどなかったが、それにしてもインスタ女子的な

取れ高がほぼゼロで、撮っていてもボツのものばかりだ。

 

ボツにしたもの

IMG_4319

①楽しいパーティー(宴会)で

宴会の途中で生のまま食べられるという椎茸を頂いたので撮ってみたが、

後ろに見切れている豪華な食事だけを写したものは一枚も無かった。

あとむちむちした私の指の感じも、(インスタ上のいけてる)縄文女子としては

投稿がためらわれるところ。

 

IMG_4320

②星空

奥松島の美しい星空を写したはずの一枚。

スマホで撮ったので何も映らなかったが、あの日のものだと思って見れば、

いつでも脳裏に観念の星空が浮かび上がってくる最高にロマンティックな写真。

インスタ映えどころか自分にしか伝わらないのでボツ。

 

③仙台駅前で撮ったカフェラテ

カップの派手なピンク色はインスタと相性が良さそうだが、

イラストに描かれた謎のおじさんが微妙にいじりにくいのでボツ。

 

と、こんなポンコツ写真ばかりで、とにかく縄文以外の写真が少なすぎた。

どこかへ出かけたら、遺物以外の写真も積極的に撮っておくといいかもしれない。

例えば博物館や遺跡についてSNSへ投稿する際、

こんなに茶色っぽいものばかりを連投しても大丈夫かな…と悩んでしまうことがある。

その時に別の画像を挟みこむことで画面全体の華やかさを保つことができる。

 

 

ポンコツでない写真も撮ったのでその投稿も載せておく

 

3

 

過去最多のいいね数となった一枚。

竪穴式住居はインスタ映えするようだ。

いいね数:47個 付けたタグ:15個

 

また今回ステルス機能として、写真を複数まとめて投稿する際は

2ページ目以降に遺物の写真を配置することも心がけた。

このことによりトップ画面が茶色くなることを防ぐことができるし、

たまに1枚目に配置している遺物の存在が生きてくる(気がする)。

 

私たちの世界は誰かが投稿したSNSの情報で溢れている。

しかしSNSは断片を切り取るもので、人生の全てを写すことはできない。

だからこそ印象は操作できる。

 

一口に縄文女子と言ってもそれぞれに個性があって環境も異なり、

縄文以外にも好きなものや愛しいものがあるはず。

『縄文が好きな人』でも『縄文も好きな人』でも『縄文好きを隠している人』でも、

(自分の負担にならない程度に)望むままにイメージを切り出すことができる。

 

 

葛藤してる人と繋がりたい

 

正直なことを言うと、タグをつけるのが恥ずかしかった。

これは個人的な持論だが、人間には2種類のタイプがあると思っている。

大量にタグをつけることに全く抵抗を感じないタイプと、抵抗を感じてしまうタイプだ。

抵抗を感じてしまう理由は人それぞれだろうが私はそのタイプで、大量にタグを付けることに少し葛藤があった。

 

しかし今回恐る恐るタグをつけてみると、何処の馬の骨かわからない私の写真に

いいねを押してくれる人や気軽に話しかけてくれる人もいた。

もちろん本当のステマアカウントもあったが、

世界裏側からどうして? みたいなアカウントからもいいねがくる。

今まで斜に構えてタグを見ていたけれど、みんな繋がりたいんです。

そして本当に繋がれるんです。

 

#タグ は偉大! 恥ずかしがらずにどんどんつけよう!

 

約1か月半で投稿数16件、総いいね数420個。

これだけの人の数秒を縄文にすることができた。

もちろんいいねを押さずにちらっと見た人もいたはずで、これも全てタグのおかげ。

インスタの活用法ではなくタグの力を今更思い知っただけな気もするが、

タグは本当に偉大です。

みなさんも恥ずかしがらずに色んなタグをつけて、

沢山の人と繋がってみてはどうでしょうか?

 

縄文女子のインスタアカウントは今後も緩やかに続けていく予定なので、

もし良かったらフォローしてください。

☞ follow me ♡   @jmn16000

 

また資料館や博物館によって写真撮影やSNSへの投稿のきまりが違うので、

投稿する際は事前に確認してください。

皆さんもどうぞ自分らしい形で縄文の情報を発信していきましょう!