山梨に縄文人・・・?
山梨県に縄文人が現れた?
そんな噂が我々どぐぽたの元へ届いた。早速事実を確かめるべく、我々と土偶ライター譽田亜紀子氏はあずさ7号で山梨県の北杜市へ向かった・・・!
山梨到着
噂によると、JR韮崎駅から車で20分ほどの場所にある「梅之木遺跡」に縄文人が出現するらしい。果たして本当に現代に縄文人が存在するのだろうか・・・。
雲の切れ目から射す光が神々しいなー(奥に見える山々は南アルプス)
むむっ、遺跡の真ん中に謎の建造物が。あれは一体・・・?
こっこれは・・・?
作りかけの竪穴式住居?
そして、住居の横にいるのはまさか・・・
うわさの縄文人!?
縄文人の正体は造園業の黒田将行さん
黒田さんは東京・阿佐ヶ谷で「熊造園」という会社を営んでいる造園業者さん。
北杜市埋蔵文化財センター・佐野隆さんの指導の元、実験考古学の手法で再現竪穴式住居を制作しています。
実験考古学・・・?
実験考古学(じっけんこうこがく)とは、考古資料の機能や用途などを推定するために、実験的方法を用いることを指す。磨製の石斧に柄をつけて実際に木を伐採したり、石器時代と同じような材料や技術を使って住居を復元したり、石鎌を使ってムギを刈り取り収穫具としての効率を調べたりするなど、実験的方法を用いることは、考古学上の有効な手段と考えられている。
Wikipedia・実験考古学のページより
つまり、機械を使わず、石斧や縄作りまで、全て人の手で竪穴式住居を作ってみて、実際に出来るのかどうかを検証しようという試みなのです。
ちなみに、石斧なども現代の道具を使わず、川や海で拾った石を磨いて作ったそうです。
石斧などの制作の様子は熊造園のYouTubeチャンネルで見ることができます。
実験考古学に挑戦
せっかくなので我々どぐぽたの縄文おじさん達も実験考古学を体験してみます。
まずは穴掘り
穴掘りには打製石斧が使われていた・・・というのが定説らしいのですが、梅之木遺跡の土地は石が多く、石で作った道具では一発で欠けてしまって、仕事にならないとのこと。
代用品として白羽の矢が立ったのは、硬さと柔軟性を備えた鹿角。
でもこれ、どう見てもスコップ的な形してないんですが?
掘れる。掘れるには掘れるけど、土を掻き出す機能がないので心の虚無が拭えない。
現代文明に穢れた僕らは「この作業、時給いくらになるんだろう・・・?」などと考えてしまう。
でも黒田さん、この鹿角で仲間と一緒に住居の竪穴を掘ったらしい。リスペクトしかない。
縄文人といえば磨製石斧!
黒田さんのアドバイスの元、石斧で木の伐採に挑戦します。加曽利貝塚で乾いた木を切ったことはあるけど、生木は初めて。
デザイナーのyasuさんが挑戦。「腰が入ってねーぞ!」とおじさんたちからヤジが飛んでおります。
続いて譽田さん
おっかなびっくり
住居完成は2018年3月予定
梅之木遺跡からは約180軒の住居跡がみつかっており、その中の一つの住居跡に、作成中の竪穴式住居が建てられています。
縄文遺跡に建っている復元竪穴式住居は全て推定復元であり、遺跡には穴が残っているだけでその全貌は分かっていません。
一般的には竪穴式住居は茅葺のイメージがありますが、中世のタタラ場の住居を参考にしたらしく、縄文の住居が茅葺であったとは考えにくいそうです。
岩手県・御所野遺跡に土葺きの竪穴式住居が作られてからは、土葺きがスタンダードと考えられるようになってきたとのこと。
梅之木の住居はカナダ先住民族の竪穴式住居を参考にしているそうです。
住居の完成は3月、梅乃木遺跡公園の公開は2018年の予定です。
梅之木遺跡アクセス
山梨県北杜市明野町浅尾字梅之木
JR韮崎駅から車で約20分、穴山駅からは車で約15分。
[amazonjs asin=”4336062390″ locale=”JP” title=”縄文人に相談だ (縄文ZINE Books)”]